情報収集ってよく言うけど、まず何からやればいいか迷う人も多いと思います。臨床に居る私達でも、迷うことがあります。ここでは、成人看護学実習Ⅰに焦点をあてて話していきます。
病名
どうしてこの患者は入院してきたのか。どうして手術をするのかを知るためには、これが1番知りたい情報です。
既往歴
糖尿病、高血圧、高脂血症、過去の手術歴など。これらの病気や手術は、患者に行われる治療に大きく関わっていきます。
糖尿病:術後の血糖管理が大切。術後の神経内分泌反応が亢進することで高血糖となり、創治癒遅延の可能性がある。
高血圧:術後の神経内分泌反応が亢進することで、血圧上昇
術式
患者は手術をすることを目的に入院しています。この情報は必ず押さえましょう。
検査
診断するためには、検査が必要です。レントゲン・CT・MRI・生検など多くの検査があります。これを全て、情報収集するのは大変です。疾患や既往歴によって、必要な検査は異なります。
検査をみるポイント
- 病名を調べる
- 診断するために必要な検査を知る
- 検査の目的や正常値や異常値を知る
- 患者に行われた検査結果知る。その検査結果が正常か異常かを見る
この流れでみれば80%はカバーできていると思います。余裕があれば、他の検査をみましょう。教科書ではこの検査やるのに患者には行われていなければ、指導者や教員に質問すると、「この学生はよく勉強している」と思われるかもしれません。
くすり
これも検査と同じように、病名・既往歴から逆算して考えると分かりやすいです。ここでは、患者が使用している薬剤はすべてメモをして、薬効を知っておくと良いです。
入院までの経過
これを理解するには、病名・既往歴・検査・薬などを理解しておく必要があります。
- 症状の出現
- 開業医などに受診
- 検査を行い、確定診断
- 患者へ病名の説明及び、手術の説明
- 入院
このような流れで入院になるケースが多いと思います。この流れを理解することは、患者の全体像を把握することができます。
患者に聞く
カルテから情報収集には限界があります。私個人の意見ですが、パソコンから得た情報はすぐ忘れます。しかし、患者から聞いた情報は何故か頭に残ります。意図的な質問(症状・新誌面・家族のこと・仕事のこと)も必要ですが、些細な雑談が患者とのかかわりや退院に向けての指導に繋がることがあります。
看護師に聞く
看護師から話を聞くことで、学生が見えなかった視点や考え方に気づくことがあります。しかし、この方法は今までの情報を押さえてから、行いましょう。なにも分からず、看護師に聞いても何も頭に入りません。それどころか、「この学生は楽しようとしている」・「勉強していない」と思われがちです。看護師に聞く前に、指導者や教員に相談してから聞いてみるのも良いです。私達看護師も、学生から質問されることで勉強になります。また、患者との関わりの大切さを再認識する機会になるため、是非話しかけてほしいです(私個人の意見)
カリキュラムの改正により、実習期間が短くなっています。そのため、学生は効率的に情報収集を行う必要があります。これらのポイント押さえることで、ベッドサイドへ行ける時間を作ることができると思っています。